肥満症について

肥満症は医学的な治療が
必要な疾患です
「肥満」とは体脂肪が過剰に蓄積した状態を指し、病気ではありません。判断にはBMI(体格指数)が用いられ、日本ではBMIが25以上で肥満とされています。
一方、「肥満症」は、肥満が原因で高血圧や糖尿病などの健康障害が起こっている状態で、医学的な治療が必要とされています。
当院の肥満症治療について
ウゴービ治療
ウゴービ治療の効果とは
ウゴービの効果について、日本人を含む臨床試験「STEP6試験」で確認されたデータが報告されています。
治療開始から68週後の平均体重減少率は、以下のとおりです。
・ウゴービ 2.4mgを使用した群:13.2%の体重減少
・ウゴービ 1.7mgを使用した群:9.6%の体重減少
・プラセボ群(ウゴービを使用せず、生活習慣改善のみ):2.1%の体重減少

ウゴービの有効成分であるセマグルチドには、さまざまな効果が期待されています。
まず脳の満腹中枢に働きかけることで食欲そのものを抑える作用があります。さらに、胃の動きをゆるやかにすることで、食後の満腹感が長く続き、食べ過ぎや間食を防ぐ効果も認められています。
加えて、食後の血糖値の急上昇を抑えることで、脂肪がたまりにくい体質へ変化させることも期待できます。
無理な食事制限をせずとも自然に食べる量が減るため、ストレスを軽減しながら、長期的な体重管理をサポートします。
ここからは一般的な傾向に基づく見解となりますが、日本人は欧米人と比較して体格が小柄で、体重も軽い場合が多いとされています。そのため、数か月後に控えた同窓会や結婚式、親族の集まりなどの行事に向けて、短期間で体重を少し減らしたいというかたもいます。
このようなケースでは、臨床試験で報告されているような10%以上の減量を目指すのではなく、3~5kg程度の減量を希望されるかたも一定数います。そうした背景から、必ずしも高用量(1.7mgや2.4mg)まで増量せず、0.25mg、0.5mg、1.0mgの少量継続使用について、医師の判断により検討される場合もあります。
なお、薬剤による体重管理を行う際には、食事や運動など生活習慣の改善をあわせて行うことが重要です。また、すべての治療は医師の指導のもとで適切に実施される必要があります。
治療を受けるための条件
当院でウゴービ治療を受けていただくには、以下の条件を満たしている必要があります。
●BMIが25 kg/m2以上
※BMI=
体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
使用方法

ウゴービは自己注射を行う製剤です
「ウゴービ」は、週に1回、自分で注射するタイプの注射剤です。 使いやすいペン型の注射器で痛くありませんし、打ち方は看護師がしっかり伝えますので心配はいりません。
肥満症治療の流れ
1初回診察※初回診察でのウゴービ処方は院内在庫の関係から受診希望日の5日前までに電話で受診予約して頂いた方のみ可能です。Webで受診予約した場合は受診日当日のウゴービ処方が出来ません。必ず電話で受診予約をお願い致します。
・診察・生活習慣の確認・食事運動指導
現在の生活習慣や健康状態についてお話をうかがい、最適な治療方針を一緒に検討します。
・身長・体重・血圧の測定、血液・尿検査 ・栄養指導を行います。
・治療開始の際は、同意書を記載して頂きます。
2適応があれば、週に1回、0.25mgから開始します
体が薬に慣れるように、少しずつ量を増やしていきますので、医師の指示に従って進めていきます。
34週間後に再診を行い、経過や体調を確認します
ウゴービの治療効果を確認するために、体重や血圧、治療の 経過を正しく評価し、必要に応じて治療内容を調整していきます。そのため毎月受診が必要です。
治療は4週間ごとに効果を確認しながら、注射の量を 0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mg へと段階的に増やしていきます。途中で増量を止めることも可能です。
また、薬剤量を上げた場合など、必要に応じて血液検査や尿検査を行う場合があります。
さらに、適宜栄養指導で栄養状態の再確認も行います。
費用
診察料 | 2,200円 | |
---|---|---|
栄養指導 | 2,200円 | |
血液検査・尿検査 | 6,600円 | |
ウゴービ薬剤代金 1ヶ月分 | 0.25㎎ | 25,300円 |
0.5㎎ | 31,900円 | |
1.0㎎ | 44,000円 | |
1.7㎎ | 52,800円 | |
2.4㎎ | 66,000円 |
※税込み価格です
※自費診療となります
注意点・リスク・副作用
・美容、ダイエット、痩身目的の方へは一切処方致しません。
・悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、急性膵炎、胆石症、胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸、低血糖、糖尿病性網膜症の増悪の副作用が現れる場合があります。
・副作用が生じた際は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる事があります。
・妊娠予定の方、妊娠中の方や授乳中の方は投与できません。